1月28日(金曜日)、ガレリアかめおか

で訪日外国人受入促進研修がおこなわれました。

 

この研修会は、日本観光協会と京都府観光連盟が主催されたもので、

日本が観光立国として、どうのように外国人観光客受け入れ、そして促進し展開していくのか…

京都の観光に携わる方々が受講生で、僕も保津川下りの船頭として参加させてもらいました。

 

講師に東洋文化研究者 VISIT JAPAN大使のアレックス・カーさん。

 

東京谷中で澤屋旅館の館主で、同じくVISAT JAPANの大使でもある澤功さん

 

のお二人を講師に招き、約4時間近くの講座を受けました。

アレック・カーさんからは、

「日本人の心を世界に伝える」

と題し話されました。

 

アレックスさんは、アメリカ出身で亀岡市にも在住され、東洋文化研究者として、日本各地で文化公演、執筆活動を通じて、日本に残っている田舎等の美しい景観や日本文化を諸外国に発信されてお

、徳島祖谷で茅葺の古民家を購入し再生修復して居住もされおり、

京都の町屋再生事業も展開されコンサルティング事業も展開されておられます。

著書に「美しき日本の残像」にて1994年に新潮社学芸賞を受賞され、司馬遼太郎さんや白州正子とも親交をもたれていました。

「美しき日本の残像」は、「Lost Japan」で海外にも出版され、世界でもっとも有名な日本を紹介した著物です。

そんなアレックスさんの講座は、日本人としてはあまりにも手厳しい、また的確な問題定義でした。

 

本来、日本は独自の美しい景観を形成してきたのにもかかわらず、高度経済成長ともに山や川や海などの自然が破壊され開発が推し進められたことを第一に挙げられました。

バブル期に造られた高層ビルや公共の巨大箱物建築物が街全体の景観をつぶしてしまったこと、

商店の看板や電線、山々にとおる送電線、

また道路わきにある木々が秋になれば枯葉を出さないために枝ごと伐採されること、

近代にスギ・ヒノキが材木確保のため日本全域の山々に植樹され、四季を味わえない山にしてしまったこと、

山の道路にやたら、コンクリート壁で山を覆い、水源地の川上をコンクリート壁の川にしてしまったことを写真で説明され、

トータルデザインとして日本は、観光資源にマイナス面が多いこと指摘されました。

 

日本人としては実に耳が痛い話しではありますが、

これも日本を愛するからこその意見であり、

海外でのまちづくりや、日本でも成功しているまちづくりの例を紹介されました。

アレックスさんは、

観光とは、

「ロマンを売ることである。」

と述べられ、

日本が発展を望む代わりに、古来からの日本人の文化を捨ててしまったことが原因であると指摘されました。

中国の詩人であった杜甫が

「国敗れて、山河あり」

と詠みましたが、

日本の場合は、

「国栄えて、山河なし」

と称されたことが印象的でしたが、

マイナス面だけでなく、最後に日本には、まだまだ美しい場所が残っており、その景観を守る必要性と可能性をあげられました。

また、御本人が展開されている古民家再生の活動も紹介され、日本古来の美と現代の生活のための実用性との融合が大事であると述べられました。

 

 

一方、後半の

澤功さんからは、

「地域と取り組む外国人観光客のおもてなし」

と題し話されました。

澤の屋旅館の澤さんは、

観光庁による「『観光カリスマ百選』選定委員会」にて観光カリスマに選定された方で、東京の下町で外国人をもてなし、これまで14万人の外国人旅行者を受け入れ、さらに外国人観光客と地域との触れ合いに尽力されています。

もともと、澤の屋旅館は修学旅行生を多く受けていた旅館でしたが、昭和56年ごろから宿泊客が減少してしまったところ、

新宿の矢島旅館の主人から、外国人観光客を受け入れることを提案されましたが、和式設備の旅館であることから、なかなか踏み出せず悩んでいたのが、実際に矢島旅館を見学すると澤の屋屋旅館と同じ設備であることと、矢島旅館の主人が自分でもわかる片言の英語であるので、

「これなら、私たちでも出来る!」

と思い、外国人観光客を受け入れられました。

初年度の昭和57年は230人でしたが、その後順調に増え、これまでに延べ14万人を超えられ、

ほぼ毎年、旅館稼働率90%を超えています。

また、その宿泊客の90%が外国人であるという実績です。

その理由として、

もちろんリーズナブルな料金もありますが、

何より、澤さんら家族が「おもてなしの心」で外国人を迎えられていることが外国人に伝わっているからこそ今にいたるのだと思います。

客室は和式で、室内トイレと浴槽は二部屋しかなく、あとは共同トイレと大浴場となります。

その小さい旅館を逆に売りとしてられます。

澤さんがおっしゃるには、

「外国人観光客は旅が目的で、宿は手段である。」

「旅の目的に合わせて、宿を選べることで旅が楽しくなる。」

「民宿、家族旅館、ビジネスホテル、観光旅館、ホテル等いろりろな形の宿に泊まりたい。」

 

旅の思い出は、

「豪華な宿やおいしい料理のことは忘れてゆくが、旅の思い出はとして最後まで残るのはその国の人とのふれあいや一寸親切にされたことである。」

 

そして宿は、

「地域との関係が大切で、外国人を迎えたいという心で地域レベルの取り組みが必要だ。」

と述べられました。

 

僕は、

このお二人の講座を聴き、

観光の「まち」とは、

観光のための「まち」を造るではなく、

その「まち」を愛し形成していく、発展と保全が調和し、それらを守るために科学技術が利用する。

地域の人に愛されたから、「まち」が美しくなり、

「観光」は、その後からついてくる。

また、「観光」は、

おもてなしの精神で迎え入れ、

決して、無理に飾ろうとしない自然の状態こそが魅力をなし、

あくまでも、人と人とがふれあうことが第一であること。

そして、それが地域全体でバックアップし、人々は、その地域に貢献すること。

 

それが、日本が観光立国として世界にアピールできるのではないでしょうか。

私たち保津川遊船企業組合も一丸となり、日本・京都・亀岡の観光の一角として担っていきたいです!

 

さいたに屋