霧の橋 遅咲きもみじ 浮かびゆく

きりのはし おそざきもみじ うかびゆく

 

今、フジテレビで「遅咲きのヒマワリ」というドラマが放映されてますね。高知県の四万十川を舞台にした男女7人の青春群像劇です。

四万十川には、佐田橋をはじめ、9つの沈下橋※があるそうで、このドラマでは、重要なシーンでよく登場します。この沈下橋の情景が素晴らしく、また四万十川のいろいろな表情を見れて、私は違う意味で(笑)毎週楽しみにしています。

※沈下橋・・・増水時に川に沈み込むように設計された橋。ほとんどの橋には欄干がついていない。水の抵抗を最小限に低減させ、流失を防いでいる。

この保津川にも「沈下橋」があるのをご存じですか?四万十川ほどの規模ではありませんが、れっきとした沈下橋!今も地元の方々の農業・生活道路として活躍しています。

この沈下橋は「高橋」(たかばし)や「保津小橋」(ほづこばし)と呼ばれ、昭和25年に地元有志によって完成した鉄骨コンクリート製の橋です。鉄骨には鉄道のレールの払下げが使われているそうです。

それまでは、丸太を懸け、板や土を敷いただけの流れ橋だったそうです。地元の古老に聞くと、農耕用の牛が渡るだけでよく橋に穴が開いたそうで、牛は川を曳いて渡ったそうです。また、増水時には、よく流失したそうで、高橋の完成は地元の方々の悲願でもあったのです。

この高橋は、地元の方々の保津川に対する想いと地元の方々の熱意を物語る橋なのです。

保津川下りにおいても重要な橋で、保津川を象徴する一つの原風景であり、橋下の川の落ち込みは、保津峡の激流へのプレリュードにもなっています。

晩秋の保津小橋の風景は、得も言われぬ美しいシルエットを描いています。

保津川と人々との歴史を思い浮かべながら、過ぎゆく秋、来たる冬を楽しむのもいいですね。

 

船士魂