船士詩 ~14~ 夢のつづき
もみじ葉や 船頭衆の 夢の続き
もみじばや せんどうしゅうの ゆめのつづき
保津川下りの道中最後の方に「武士ヶ駒」(ぶしがこま)という場所があります。
古老によると、ここにはかつて川の関所があったそうです。
今でも、大きな松、美しい楓、そして石垣が当時を偲ばせています。
またその近くには「茶屋の跡」があり、かつての曳舟の船頭衆の休憩所とも言われています。
松尾芭蕉の句に「夏草や 兵どもが 夢の跡」がありますね。
かつて栄華を極めた者たちの夢は儚くも消え、ただ夏草だけが生い茂っているさまを詠ったようです。
武士ヶ駒、茶屋の跡、今はひっそりと静まりかえっています。
しかし、今でも船頭衆の語らいが聞こえてくるような気がします。
かつての船頭衆の心のさまは今の私たちにも伝わっています。
そう、赤く燃える紅葉のように・・・。