昨年の秋風景

 

 

深く切り込んだ渓谷の木々も色づきはじめる11月の保津峡。

雲海のような朝霧が晴れると、激しい急流を秋の眩しい陽光が照らし、川は白龍の背の如くうねり水面は輝きます。

視界が広がってくると400年間、先人の船頭たちが嵐山まで下った舟を曳き帰った川岸の小道が姿を現し、当時を偲ばせます。

雄大な自然の中、歴史の香気を放つ保津川の情景は、訪れる人の旅情をかきたてずにはおかないでしょう。

船上から見上げる山々の紅葉は、渓谷の全景を浮き彫りにし、彩のコントラストが絶妙な調和をみせます。

なんの違和感なく自然と合致したありのままの眺めは、保津峡の秋ならではの光景です。

時折、舟に舞い上がる水しぶきに心まで洗われるそうな新鮮な感覚。

悠久の時が生み出した、保津峡で自然の溶け込む1時間40分。

ぜひ、ご堪能下さい。

(八)