シンポジウム「川は誰のもの?」-川の利活用を考える-
全国の河川において先進的に活動取り組みをされている方々をお招きし、「歴史文化」・「環境」・「景観」・「新たな利活用」などなどの切り口から話され、今後の保津川の利活用について考えるというシンポジウムです。
「保津川のかわまちづくりについて」
京都府南丹土木事務所 河川砂防室長 松崎敏之さん
「保津川の未来に向けての活動について」
保津川遊船企業組合船頭 エコグリーン委員会 委員長 森田孝義さん
「観光船と川下りについて」
全国河川旅客船協会 専務理事 押切大一さん
「ある日の四万十川 この背景にあるモノとコト」
魚と山の空間生態研究所 代表 山下慎吾さん
「多摩川流域をつなぐ社会的なしくみづくりついて」
美しい多摩川フォーラム 事務局長 宮坂不二生さん
の5名の方々から地元・多方面で活躍されている実例を話されました。
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 教授の岩田明久先生から、「保津川の生物多様性とその利活用につて」と題して基調講演が行われ、
最後に、岩田先生をコーディネイターのもと、発表された方々をパネリストして熱い議論が交わされました。
古今東西、川は人間が文明を持った時から重要な場所であったのに対し、昨今の日本は、川は危険な場所とし、子供を遠ざけ、治水・利水のためコンクリートの川にして人が入るのを困難にしてしまいました。
川から遠ざかった日本人は、流域同士の交流もなくなったのと比例するかのように、「人」と「人」との交流も疎遠となり『無縁社会』は、現代社会の問題となっています。
治水事業にいたっても、コンクリート壁ではゲリラ豪雨には対処しきれないことが言われ続けています。
川の問題と人間社会の問題は、まったく別の問題ではないということでしょう。
このシンポジウムでは、川は、「みんなの共有財産」(コモンズ)である!
「官」と「民」が一体となり川の利活用を考えていくバザール方式(誰がトップでもない複数参加者による創造活動)の形成が必要であると示されました。
僕も、川に携わる人間として、保津川を、そして、海に繋がる川として守り保全していきたいと思いますし、
そして、本当に川と人間が安心にふれあえる環境にしていきたいと、せつに願います!