その写真集を紀行記にまとめた「IN LOTUS-LAND JAPAN」(この世の楽園・日本)はロンドンのマクミラン社から出版され、ヨーロッパ諸国に「日本」というアジアの国が紹介されました。
その本に「保津川の急流」と題して、保津川下りが一章分を割いて紹介されいます。この書籍の影響は大きく、のちに英国王室をはじめオーストリアやルーマニア王室などの国家要人が保津川下りを望んで体験されるきっかけとになりました。
氏は保津川下りの体験を「舟は極楽浄土を流れる神話の川の上を漂っているかのようだった」と感想を述べました。「このような船頭たちが存在する日本の海軍は相当の強いのでは?」と神がかり的な船頭の手腕を絶賛されています。
世界各地を旅した写真家の目をクギ付けにした保津川船頭の身体能力と技術力の高さは、間違いなく日本が世界に誇る伝統技術ではないでしょうか?今も変わらず継承されているこの保津川船頭の操船技術ですが、それが現在、世界に誇れる伝統技術として見落とされているのなら、インバウンド華やかならし今日に、もう一度、海外へ向かってその価値を問いたいです。
同本は今、翻訳本「英国人写真家の見た明治日本」(講談社学術文庫)として販売されていますので、興味のある方はお求めください。明治期の日本、そして保津川下りの船頭が持つ身体能力と操船技術の高さをヨーロッパの人々が驚きをもって賞賛するとともに強烈な印象を与えたことがわかる一冊です。
※ハーバート・G・ポンティング : 1870年、イギリス生ま れ。 写真家。1910年、スコット南極探検隊に参加し、写真と映像による記録を残す。著書に“The Great White South”などがある。1935年没
保津川下りさんの写真